温度計は表示の正確性が求められるものですが、正確かどうかについては表示部分よりも、温度を測定するセンサーの方が遥かに重要です。温度計のセンサーは空気に触れることで測定しますが、風の流れによって精度が変化する性質があります。また外的な要因の影響でも測定温度が変化してしまうので、温度計といっても温度を測定するのは決して簡単ではないわけです。センサーはそれ自体の精度も重要ですし、製造段階だけでなく、出荷された以降も一定以上の精度が維持されることが望ましいです。
しかし出荷段階の精度は製造後に検査をしなければ分かりませんし、出荷後も振動などの影響で精度が変わることがあるのが厄介です。温度計をセンサーの信頼性を重視して選びたいのであれば、多少価格が高くても品質管理が厳格に行われていたり、品質に関する評価の高いメーカーの製品を選択するのが賢明です。プロが業務で使用するような温度計は、市販の安価な製品とは比べ物にならないくらいに高価ですが、それはセンサーの設計が洗練されていて、製造や検査がしっかり行われているのが理由です。出荷後も精度が保たれるように考えられていますし、通常の使い方で想定される振動、衝撃程度では簡単に壊れないようになっています。
勿論、出荷後に手放しで精度や信頼性が保たれるわけではないので、定期的にユーザーから送り返してもらい、校正してから返却するサービスをメーカーが実施していることが多いです。